2019/02/27

ネパールへの旅

カトマンドゥでの日々~5~


ネパールの首都カトマンドゥは、リングロードという環状道路に取り囲まれ、それはおよそ南北に7,8キロ、東西に5,6キロ四方で広がっている。
そして市街地はその真ん中のほんの2,3キロ四方に密集している。
わたしの撮影は、カトマンドゥ中心部からリングロードへ、北、東、西へと向けられていった。(南部はPATAN(パタン))
西へ向かった日、チャトラパティチョークを北東へ折れると、ぐっと庶民的な空気に変わっていく。
タクシーや店の呼び込みなど、観光地で声を掛けてくるような客引はパタリとなくなる。
ヴィシュヌマティ川を越えたあたりを歩く。舗装道路は消え、黄土色の地面からは常に土埃が立ち上っている。
この辺りは学校が密集しているのか、様々な制服を着た年齢もバラバラな子供たちがワラワラと歩いている。
朝7時位から午前中いっぱい、学生の姿は途切れることなく見られる。
学校の始まる時間がまちまちなのか遅刻する生徒が多いのか、お昼近くなっても別に慌てた様子はない。

カトマンドゥで人の写真を撮るときに、特に学生と、道端や店の前でたむろしている中年の男性たちが面白いとわたしは感じていた。
何故だかよく分からないのだが、学生は生き生きとしているし、カトマンドゥの中年男性には、何やら時間的な余裕が十分にあるように見うけられ、その力の抜けた感じが良かった。

それと、バスを待っている人々の姿は印象的だった。
ネパールでは車の移動が主な交通手段で、それ以外は飛行機になってしまう。
狭い国土に高低差の激しい地形のネパールには、鉄道がほとんどない。(インド国境近くの平野部に行くと、少しはあるのだが・・・)
そのため人々を乗せ様々な方角へと向かうバス乗り場はいつもごった返していて、バスを待つ人々の所在無い頼りない表情が何とも言えず、その前を通り過ぎる時いつも心惹かれるのだった。