2018/05/30

由良環写真展「都市の距爪—ハバナ—」のお知らせ

由良環写真展
都市の距爪—ハバナ—
櫻木画廊(台東区上野桜木2丁目15-1)
2018年7月3日(火)-7月15日(日)
7月9日(月)休廊
11:00-18:30[最終日17:00まで]
Tamaki YURA
PhotoExhibition
3-15 July.,2018
SAKURAGI FINE ARTS

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Ⅰ部73日-78日             
Ⅱ部710日-715
*展示の掛け替えを行います
*作家は毎日15時以降、在廊いたします。

写真とことばの重なる時間
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トークイヴェント                                                                                朗読                                                 
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ゲスト:                                                                                                ゲスト:
川島紀良[写真家]                岡安圭子[朗読家]        
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7月7日[土]17:00-              7月8日[日]17:00- 
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7月15日[日]15:00-         
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[トークイヴェント]


世界の都市を撮ることをわたしが続けているのは、都市、東京への理解と認識を(自己に)浸透させるための布石を打つような作業なのかもしれない。
そんな中、長年にわたり東京を中心に日本のあちこちで人物や風景を撮り、それについて考えたり文章を書いている
川島紀良さんをお招きします。
川島さんとは、自己と他者、都市との3つの相関関係についてお互いの写真を介在させながら、写真作品から立ち上がってきたハバナを見ていきます。
川島さんと由良にとって、都市空間とは?人を撮る事は?という命題を掘り下げていきたいと思います。
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[朗読]

リルケ(1875-1926)について—わたしは昨年知ったばかりの詩人であり作家です。
ですが、リルケの残したことばとその生き方は芸術家としての姿勢を明確に打ち出し、生涯それを貫いたものでした。

「芸術家にとって必要なのは、作品を生み出すことであり、それを成熟させることのみである。
そしてそれは沈黙の中でしか行われない。」
このことばに私の心は打ち抜かれ、同時に強い共感をおぼえました。
今回友人で朗読家の岡安圭子さんに、わたしの選んだリルケの詩を朗読していただきます。
岡安さんがハバナの写真作品から受けた感触を、リルケのことばに投影して朗読してくださいます。
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どなたでもご参加ください。(各回とも60分程度)
席は十分ありますが、小さな会場ですので早目の到着をおすすめします。


                                                                                        
                  
                 
 
 
 
 
 [櫻木画廊へのアクセス]

◆JR各線日暮里駅より徒歩10分

JR日暮里駅改札口から西口を出て、谷中霊園を抜け、ゆるく左折し道なりに直進、マルグリート菓子店を右手に見て、    谷中交番と、SCAI THE BATHHOUSEの交差点を左折。  

そのまま30メートルほど直進した左手。

櫻木画廊     東京都台東区上野桜木2-15-1  

                   tel:03-3823-3018

 

◆東京メトロ千代田線:

 根津駅1出口

 千駄木駅1出口より各13分



2018/05/23

ハバナ (85)


もうすぐわたしの旅は終わろうとしている。
このブログを書きながら、メキシコシティからハバナへもう一度旅に出ている気持ちだった。

曖昧な時間をブログ上で泳ぎ、たくさんの思考やことばを編むことができたと思う。
そしてそれは—わたしの精神と記憶が複雑に絡み合い
呼応し、生み出されてきたものである。

この旅は展示という形で終結を迎える。
 
これまで読んでくださった方に感謝とお礼を申しあげます。





2018/05/22

ハバナ (84)


社会の仕組みによって人の在り方、見え方がこうも違うのだという事を
わたしはキューバで体験したはずだったのだ。
変わらないことと、大きく違うことがある。

それを比較して考えるのは、いつも日本や東京のことだった。



2018/05/19

ハバナ (83)


ハバナのひとびとを見つめた日々。
この都市が地球上のどの都市であってもおかしくないような感覚をわたしは最近持ちはじめている。
それは何なのだろうか・・・・・?

都市というものが無限の広がりと普遍性をもち
地球上の都市を包括していくようなイメージなのだ。

それは決して都市が均一化してきたというグローバリズムを意味するものではなく
写真活動を通して、きわめて個人的な感覚から立ち上がってきたものである。



2018/05/18

ハバナ (82)


ここでは本質しか残らない。
嘘や飾りや表面的なことがらはすべて一掃されてしまう。

それを受け入れる余裕が街にも人にもないから・・・・・。

そして都市生活とは何か?ということを
ハバナにいて毎日突き付けられるような気がしていた。



2018/05/16

ハバナ (81)


不思議なことなのだが
自分の撮った写真を選び見ていると、昔見た映画の一場面を思い出す。
20代前半の頃、古いヨーロッパの映画をよく観た。
それらは特に何か事件が起きるわけではないのだが
会話と日々の何気ない情景を描いたものが多く、わたしはそんなものが好きだった。

ハバナはそんなことを思い起こさせてくれる。


2018/05/15

ハバナ (80)



ひとが生きて行く平らでない道のりと、時の流れによる街の歪みとがあからさまに露出し、それらが交錯し合う瞬間を見ると、わたしはそれにこたえなければ、と強く思うのだ。


2018/05/14

ハバナ (79)


出来てきた写真を見ると、人々の〝手″に目がいくような撮り方をしている、という話を聞いて
わたしの視線は足に行っているのかな?と暗室で気づく。

足からは-移動する、逃げる、追う、機動力
そんなことばを連想する。
手より、より原始的な働きをする〝足″に
わたしは親しみを覚え、共感しているのかもしれない。


2018/05/13

ハバナ (78)


ハバナの街の特殊性ではなく
都市の普遍性を見出すことができたのは
ハバナが突出した個性を持っていたからに他ならない。


 

2018/05/12

ハバナ (77)


ハバナの街から、人から、絶えずこちらに向けて何かが発せられている。
それらは時に激しく強烈なこともあるのだが
全体を取りかこむ膜は、総じて温かい。



2018/05/11

ハバナ (76)

どうしてもシャッターを押さずにはいられない。
そんな感覚をもつことは、わたしは滅多にない。

どれほどわたしはこの都市にどっぷりと浸かっていたのだろう。