2019/02/12

ネパールへの旅

Hariaun(ハリオン)での夕方
今日は3日間あるこの地の祭りの2日目で(それでこの日程でわたしを案内して下さったという経緯があるのだが)
大きなグラウンドのようなスペースに舞台が設置され、夜になるとライヴが行われる。
本格的なミュージシャンやダンサーも出演する。

前出の孤児院の子ども達も3日間露店を出店していた。モモを食べさせる店だ。
モモというのは、ちょうど餃子のようなものだが、それより少し小ぶりで、ネパールではおやつとして食べられることが多い。
中身は鳥とか牛とか豚とか、蒸したり揚げたり茹でたり、その組み合わせは限りなく多いが、
蒸しモモが最もポピュラーだそうだ。

モモを作り、売ることで、子ども達がお金を得る方法やその過程を学ぶことが目的で
彼らにとってはとても貴重な経験になるだろうと思われた。
と言っても、働くのは中学生か高校生くらいの子ども達だけだ。

孤児院で露店のために持っていくものを準備して、皆で祭りの会場まで出掛ける。
TOYOTAのオンボロジープで行くのだが、
荷物と人が全部積みきれない関係上、わたしは進んでジープの屋根に座ることにした。
男の子2人と、3人で10キロ程のガタガタ道を揺られながら過ごした。
少しの会話や、猿がいるよ!とか教えてくれる。
彼らは学校に行っているので、英語が達者だ。
「なぜ、ネパールに来たの?」と聞かれたときは、良い質問だなぁ、と思った。

揺れるジープの上からわたしが風景を撮っていると「自分の写真を撮って欲しい」と言われ、撮った。
(多分)ブレているけれど、きっと良い写真に違いない、そんな風に感じるひとときだった。

「また、ここに来る?」と聞かれたとき
「もしかしたら1年後にね」と答えたとき、彼が寂しそうな目をした。
そのとき、何かとても大切なものを見たように感じた。
それは割れた植木鉢に、その欠片で土をかき分けて根を掘り起こした時のような、何とも言えない体験だった。
そしてこれから自分が生きていくなかで
折々、今日のこの時間のこと、あったことを思い出すような気がしている。