2ヶ月・・・というとひとは多くのことを忘れてしまうけれど、彼らはわたしのことを憶えていてくれるだろうか。
ジープの屋根で揺られる中、写真を撮ってほしいと言われて撮った。
けれどもこれはすぐに見られるデジタルカメラではない。
そのことで彼にがっかりされた。
「ごめんね、」と思いながらも
こうしてフィルムを日本に持ち帰り、現像を終え、プリントに着手しようとしている。
その時間は、自身の記憶や精神の沼で発酵に要する最短とも思える、決して省くことのできない貴重なものなのだ。
ネパールにいる間、ざらざらとした現実を生きている様な気持ちだった。
物事の表面がささくれ、嫌でも記憶に引っ掛かってくるような日々だった。
一方で、わたしが写真を通して見たネパールは、どんなものだったのだろうか。