ハバナ (6)
すべての動物の回遊(旅)は、今いる環境に不都合を感じていることが発端になっていて
動物の旅の衝動は、いやな場所が耐えられず脱出することが原初の形だそうだ。(魚類学者・塚本勝巳氏の談より)
人間の場合もそうなのか、自身に問うてみる。
確かに動物的本能がそうさせている部分は多々あると思う。
しかし、好奇心や社会的興味といった人間に備わった別次元の希求がそれらと複雑に絡み合い、旅への原動力になっているように思う。
そして東京-戻ってくる場所-その存在が、わたしのなかで
否定することも、すんなり受容することもできない位置に、
いつもいるのだ。