2019/11/01

写真のこと、そして日々。(9)


ちょうど一年前に大阪に滞在していた。

身体を包み込む空気が、「ここは他所の土地だよ」ということを伝えてくる。
その粒は少し粗く、そして生あたたかい。

不安と安堵、諦めとしたたかさ・・・。
相反するものを投げかけてくる。
そんなことを大阪の街を歩きながらわたしは嗅ぎ取っていた。

街に露出している傷跡、あるいはひとびとの生活感は、時に人間味が感じられ、温かみさえあると知ったのは、滞在の終盤、ずっと経ってからだった。

ひとが居るから起こること、そして人がいるからこそできること。

都市が正直に歩く姿—と言ったら良いのだろうか・・・。
そんなものを大阪から感じている。