2019/10/24

写真のこと、そして日々。(8)

―暗室での時間—
久しぶりに暗室に入った。
実に3ヵ月以上振りだ。
わたしの暗室にはエアコンがない。
それなので夏は液温の調整が難しいので、なるべく入らず済ませるようにはしていたが、それにしてもこんなに空けたのはいつ以来だったかな・・・とちょっと思い出せない。

そしてまたすぐに戻ってくる、感覚。
薄暗い中での動線やプリント作業の手順など。
それと共に、溜まっていた記憶や一時保留にしていた考えるべきことがドッと押し寄せてきた。

頭の中の記憶を司る部分が、暗室に入るとどうも反応してしまうらしい。

走っている時も同様だが、こちらは正統派の課題が浮かんでくる。
いま何を優先すべきとか、いま迷っていることはどうすべきだとか、現実の問題に則した課題を走りながら検討するような感じだ。
そしてやがて走り終わる頃には、問題解決とはいかないまでも、考えが整理されていることが多い。

一方暗室で浮かんでくることは、もっとマイナーなことだ。
あのときどうだったとか、誰が何を言ったとか・・・。そのときは気にしていなかったようなことで、一見してどちらでも良いようなことの記憶が、ポツリポツリと湧いてくる。

暗室の時間とは、無意識の領域を刺激するのか、夢の中のような時なのかな―


                                                                                                                                                                                     Osaka,2018