2019/02/21

ネパールへの旅

カトマンドゥでの日々 ~4~
Jhochhen Tole(ジョッチェン界隈)
                別名Freak St.

カトマンドゥにある世界遺産のひとつ、Durbar Square(ダルバール広場)の南に隣接するJhochhen Tole(ジョッチェン通り)界隈は、60年代、ヒッピー風の旅人がたむろしていたという所で、そのあたりの長期滞在者が多く、その名残を残していることを書籍で知り、どんなところなのか興味がわいた。
大麻天国(ネパールで大麻が非合法化された1972年まで)だったころのカトマンドゥは、おそらく仏映画「カトマンドゥの恋人」(1969年)を観るとその雰囲気が良く分かるかもしれない。

とっぽいー今でもこのことばを使うのなら、この表現がジョッチェン界隈にはしっくりくる。
そしてわたしが滞在している宿のあるタメル地区とは違い、子供だましの土産物屋などは見当たらない。
長期滞在するには丁度良い場所なのだと思った。
埃や煤をかぶったイギリス風建築ネパール判といった建物が密集し、うらぶれた感じの魅力的な路地が形成されていた。
2015年4月の、ネパール大地震の際に崩れた煉瓦などが山積みになっていて、この辺りはあまり補修が進んでいないようだ。
それでも良く見ると、煉瓦の壁を埋め直した跡がたくさんあり、まだその繋ぎ目の石灰が生々しく鈍い光を放っていた。

高い建物同士が迫ることで作り出される閉鎖的な空間はどこか怪しげで、秘密の隠れ家にぴったりという雰囲気を醸し出している。

「大型カメラで三脚を据えて撮るなら、ここだ」と、わたしは直感した。
あるいは映画を撮るのも良いかもしれない。
よくある埃を被ったような町の、味のある大道具セットが、ここではそのまま使えるからだ。

途中、先が行き止まりなのか通り抜けできるのかわからず、向こう側にいたおじさんにその事をジェスチャーで合図して聞くと「Come」と言って、先に歩き始めた。
地震で崩れた建物後の広い空地を通り抜け、その先に道はちゃんとあった。