朗読会にて
岡安圭子さんは、池澤夏樹著『スティル・ライフ』をこの日の朗読の会のために選んでいた。
池澤夏樹氏についてと、岡安さんにとっての氏の小説について
簡単にふれたのち『スティル・ライフの』朗読が始まった。
初夏の東京日本橋、オフィス街の土曜の夜は人気がなく、古いビルの5階の白い部屋は、雑音がほとんどしない。
主人公の、坦々とした日々を描いたストーリーの中に、
時折するどい、しかしとてもやさしい物言いで
人々へのメッセージともいえる言葉がちりばめられている。
時折するどい、しかしとてもやさしい物言いで
人々へのメッセージともいえる言葉がちりばめられている。
「世界と自分との間に橋を架け、それを関係させることが大切なんだ。」という意味の一文がとても心に残った。
「自分のやりたいことを社会の中でをどう折り合いをつけていくかが大切なんだ・・・」という解釈は正しいかわからない。
しかし私はそう受け取った。
しかし私はそう受け取った。
そして「ああ、この人がずっと自身に問いかけてきたことなんだろうな・・・」と感じた。
池澤さんがこれまでしてきた多くの旅や、住んだ土地土地で
このことをずっと考えてきたのだろうな・・・と。
このことをずっと考えてきたのだろうな・・・と。
それくらい自然で、普遍的で、氏自身に言っているようでもあり、すべての人に言っているようにもとれる言葉だった。
池澤氏の言葉は、岡安さんの声と共に、すっと私の中に入ってきて留まった。