もっとも自由なこととは
旅立てること
帰れること
それを自分の意志で決め、実現できることかもしれない。
いつも思うのは・・・
世界一観光客が訪れるというこの都市は
晴れていると飛行機雲がひっきりなしにつくられる。
―世界中からこの都市に向けて
あるいはここから世界中の都市へ―
空の白いラインを見ているといつも日本が恋しくなる。
距離
距離を置くだけでみえてくることがある。
あるいは距離を置かないと見えてこないものがあると
言い換えた方がよいのだろうか・・・。
羽田に立つとすぐ近くの首都圏の喧騒が嘘のように
静かで平穏な気持ちになる。
そして「都市とは何か・・・」という
ずっと継続している思考がすっと入ってきてくれる。
東京では年に一度あるかないかの靄(もや)が発生した日。
霧(きり)ではなく、この日は確実に靄(もや)だった(視程7キロ)
東京南部のビル群が雲の中に林立する姿は虚構都市のようで
とても幻想的に見えた。
こんな時は心底、写真をやっていて
そして撮りたいものがそこにあって幸せだと感じる。
ここには何もなくて
しかしすべてのものがあるように思う。
無と有
精神と物質
そんなことをずっと考えている。