2014/04/18

OKINAWA April2013

                       OKINAWA


 津波(つは)集落へ


 今日の目的地は沖縄本島の北西部にある小さな集落だ。
 そこは名護から更に20キロほど北上し、東シナ海と国道58号に面した津波(つは)集落と言う。
 
 那覇から西周りのバスで本島を北上すること2時間弱、名護バスターミナルに到着。
バスターミナルのコインロッカーに必要ない荷物を入れ、そこの売店で買ったサーターアンダギーを食べながら次のバスの時間を待つこと30分。そして再びバスに乗ること約45分。

 朝7時前に那覇のバスターミナルを出発してから、午前10時過ぎにはあっけなく着いてしまった。
 春のやや強い日差しの中、私はゆっくりと歩きだす。
 ここは、沖縄の古い素朴な民家が残る、数少ない貴重な集落ということで、興味を持った。
 ―海岸、国道、集落、そして山―という順でその土地は形成されている。
 海と山が接近しているため、どうしても集落は海岸に沿って長く延びる形になる。
 
 そこは、立派な瓦屋根を持つ沖縄の伝統的な古い民家が密集していた。
車が一台通れるかどうかの細い道を、塀沿いに歩きながら見渡すと、木々が青々と茂っている。
 フクギの木と言って、沖縄ではポピュラーな防風林との話を聞く。
真っ直ぐに伸びること、幹が丈夫、葉が密になっていることから、防火林としても役立つらしい。

 集落の中をヒタヒタと慎重に観て回るが、時折子供たちに出くわす位で、人は殆ど歩いていない。
まるで世の中から取り残されてしまったかのようで、ここでは時が止まっているのだろうか・・・。

 途中、国道沿いに戻ると、おじい達が交通安全週間のための白いテントの中で座って談笑している。何回目か私が通り過ぎた時呼び止められた。お茶やバナナ、沖縄の伝統的なお菓子を戴く。
 沖縄ではお祝いの席で食べるという紅白のそのお菓子は、落雁のような見た目と味だ。
 そして、フクギの木が立派な家がすぐ近くにあるから、行ってみなさいと言う。
 ここでは格のある家の象徴として、フクギの木が立派に家を囲んでいるというのがポイントになるようだ。
 
 フクギの木と瓦屋根の民家の集落で悠久の時を感じながら過ごし、夕方には元来た道をバスで名護に戻る。