マイディ村―ここでの時間は何だったのだろうと考えた時、
二重、三重にもなって体験と記憶が押し寄せてくる。
クリニックの家族との夜宴、バッドリさんのご両親とのひととき。
実際にあったことと、かつて見たような懐かしさが層になって、あらわれては消えていく。
そして日本でのマイディ村についての新たな体験*が、それらの記憶を輝かせながら再度思い起こさせてくれる。
それはまるで床屋のサインポールのようであり、ずっと回転し、流れ続けながらも景色を見せてくれている。
同時にわたしはひとりの青年の目を、計らいを、ふとしたところに感じるのだ。
*上田達さんの写真展に足を運んだマイディ村に行かれたという男性や、その方が作った
マイディ村の写真集を目にしたこと、そして小川博子さんとの再会。