2014/10/09

新たな風景との出会い


とても内面的に言えば
私がこれまで都市を撮ってきたのは
自己と世界との関わり方を確認する作業のような部分があった。

もっと言えば、都市写真は「自己」と「世界」との関係を問題にしてきた故に選んだ被写体だったといえる。
その関係性にずっとこだわり続けてきたのだ。

一方で自然を撮ることは自分そのものを撮ることのように捉えて
いた。
生まれてから18年間ずっと自然の中で育ってきてというもの
自己と自然とを同一のものとして認識していた。
それ程自分の中に自然が入り込んでいたのだ。
だからセルフポートレートのような作品を撮る気はしなかった。

しかしここ一年の間にその位置関係に大きな変化が生じた。

自然は自分そのものではなく、もちろん都市でもない—と。

まったく別の他者として-新しい「何か」-として
私の目の前にスッと現れてきたのだ。
それはとてもさりげない現れ方だったので
認識するのに少し時間が要った。

そしてこれは私が写真作品をこれからも作っていく上で
とても大きな出来事だったと言える。