時間と記憶のカンケイ Ⅰ
カトマンドゥの市街地から離れ、郊外へ向かって歩いていく。
そこは時の流れが極めて鈍く、まるで止まっているかのように感じられた。
ゆったりとした時間の流れというのは、豊かな実をつけた瑞瑞しい果実のような重みがある。
だからその歩みは自ずとゆっくりだ。
そしてその時間は、少しづつだけれども、確実に自分の中に記憶として積もっていくと感じられる。
早急な時間は軽く、時とともにわたしから離れ、どこかにとんでいってしまう。
だから敢えて早い方を選ばないこと、写真の方法も、そのための移動も。